私のセンチメンタルストーリー

センチメンタルな今日この頃。

アメリカ式食文化の導入

時代はハンバーガーやフライドチキンなどのファーストフードに代表される、アメリカ式食文化が導入されはじめた頃のこと。場長のかたわらには肥料製造過程のウンコが日乾しされていて、製品として出荷を待つばかりになっていた。もちろんすでにからからに乾いていてくさくもない。でもその場長はちょっぴりさみしそうに、「この処理場も来年には閉鎖になるんです」といっていたのを、つい昨日のことのようにおぼえている。東京が本格的な下水道整備のはじまりを告げようとしていた時代であった。そして時代は移り、最近また、し尿を資源化しようとの動きが出はじめている。ただし昔に戻ろうという話ではない。それにもつと重要な要素は、し尿を肥料として使うのではなく、動機はまったく別次元のところにある。下水処理場やし尿処理場から発生する汚泥などの廃棄物の処理がいよいよ追いつめられてきたからである。し尿や汚泥の海洋投棄が国際条約で厳しく規制され、かといって陸上処分場はすでに余裕はなく、限界に近づいている。廃棄物を減らすために、資源化しているといっていい。東京都では現在、発生する汚泥の半分は処分量を減らすため焼却場で燃やし、灰にしている。容積で10分の1ほどになる。